Substance Painter 2020/2021 塗装された金属のマテリアルを作る

Substance Painterは、スマートマテリアルを使うと簡単にそれっぽいマテリアルが出来上がるツールです。しかし、基礎を飛ばして使い始めてしまうと、応用が利かないデザイナーになってしまう恐れがあります。

今回の記事では、Substance Painterで
「塗装された金属のマテリアルを作る」方法を通して、マテリアルを作る基礎をまとめてみました。

①サンプルのインポートとBakingMapsについて
②塗装された金属のマテリアルを作る
③削れた部分と削れていない部分をペイントでコントロールする
④汚れを加える
⑤まとめ


①サンプルのインポートとBakingMapsについて

まずサンプルモデルを開きます。

[ファイル] > [Open Sample…]

フォルダが展開されるので、「Meet Mat」を開きます。

サンプルモデルが読み込まれます。

Texture set settingsウィンドウの中を下の方にスクロールし、[Mesh Maps]の部分を確認します。サンプルデータなので、テクスチャがすでにベイクされています。

自分でインポートしたモデルの場合、これらのテクスチャはベイクされてない状態なので、[Bake mesh maps]でテクスチャをベイクしてください。

これらの、曲率マップなどがあることで、Substance Painterのジェネレータなどが機能します


②塗装された金属のマテリアルを作る

塗装された金属は、以下のようなレイヤ構造です。

  1. 【三層目】汚れ
  2. 【二層目】塗装面
  3. 【一層目】金属面

Substance Painterでも、このレイヤ構造の通りに作っていきます。

まず、【一層目】を作ります。金属面です。

[塗りつぶしレイヤ]を作成して、プロパティウィンドウ内のマテリアルを下記の通りにします。

[Color]:暗めのグレー
[Metal]:1
[Rough]:0.3くらい
 その他:オフ

次に、【二層目】を作ります。塗装面です。

[塗りつぶしレイヤ]を作成して、プロパティウィンドウ内のマテリアルを下記の通りにします。

[Color]:赤
[Metal]:0
[Rough]:0.9くらい
 その他:オフ

【二層目】レイヤに対して、エッジの削れを追加します。

【二層目】レイヤを右クリック > [黒のマスクを追加]

追加された黒のマスクのアイコンを右クリック > [Add generator]

作成されたGenerator (empty)を選択し、プロパティウィンドウ内の[Generator]をクリック。

マウスカーソルの近くにウィンドウが出るので、[Metal edge wear]を選択します。

すると、エッジ部分に自動的に白色が追加され、下の画像のような見た目になります。しかし、削れた部分に赤色、削れてない部分にメタルの質感が入っているため、ジェネレーターの白黒を反転させる必要があります。

ジェネレーターの白黒を反転させるには、プロパティウィンドウ内の[Invert]の[False]をクリックします。

プロパティウィンドウ内 、[Wear Level]・[Wear Contrast]・[Curvature Weight]のあたりで削れの量などを調整できます。

[Use Custom Gruge]の[False]をクリックすると、削れのパターンにテクスチャを読み込むことができます。クリックしてプロパティウィンドウ内を下の方にスクロールし、[Custom grange]をクリックします。

マウスカーソルの近くにウィンドウが出るので、例として[Dirt4]を選択します。 削れのパターンが変化します。

[Custom grunge]の下のあたりの[Parameters]タブ内の[Balance]・[Contrast]で削れ具合を調整できます。

ここまでが塗装された金属のマテリアルのベースができました。
ここからはさらに良いマテリアルにしていくためのヒントです。


③削れた部分と削れていない部分をペイントでコントロールする

Substance Painterは手軽にエッジの削れなどを加えてくれますが、それをそのまま使ってしまうと自動生成感が出てしまいます。プロが見るとSubstance painterで作ったことはわかってしまうでしょう。
原因は、遠くから見るとエッジの削れが一定で単調に見えてしまうことと、全体的に入った削れのコピーペースト感が強いことです。
そのため、わざと人の手を加えてリズムを崩していく作業を加えていきます。

先ほど[Metal Edge Wear]というジェネレーターを作りましたが、そのレイヤで右クリックをして[Add paint]をクリック。

ペイントレイヤがマスクの中にできるので、これを選択してプロパティウィンドウ内の[grayscale]の数値を1(白色)にします。

ペイントを加えることでエッジの削れを抑えていきますが、その前にブラシを変更しておきます。

ブラシを変更したら、エッジの削れが一定にならないよう書き加えていきます
ペイントレイヤに対して書き込んでいるため、後で修正するのは簡単です。

ブラシの色を0(黒色)に変更して、大きく削れた部分を作ったりするとより面白味のあるテクスチャになると思います。


④汚れを加える

  1. 【三層目】汚れ
  2. 【二層目】塗装面
  3. 【一層目】金属面

これらの層の、【三層目】です。汚れを加えていきます。

【一層目】、【二層目】のレイヤに加えて、新しく塗りつぶしレイヤを作成します。プロパティウィンドウ内のマテリアルは以下のようにします。

[Color]:黒
[Metal]:0
[Rough]:1
 その他:オフ

この塗りつぶしレイヤに対してもマスクを追加します。

【三層目】レイヤを右クリック > [黒のマスクを追加]

追加された黒のマスクのアイコンを右クリック > [Add fill]

ここで作成した「塗りつぶし」に対してスクラッチの画像をアサインすることで、汚れを追加したいと思います。
ここでもエッジの削れを作っていったときと同じく、マスクに対して画像を読み込みます。そうすることで、後で汚れの色を変更したりする修正が簡単になります。

作成された塗りつぶしを選択し、プロパティウィンドウ内の[Grayscale]をクリック。

マウスカーソルの近くにウィンドウが出るので、[Gurnge Scratch Generator]を選択します。 今回はスクラッチ系の汚れを選択しました。

そうすると、汚れが追加されました。ベースの色が暗く、汚れが黒色でわかりづらい場合は、一度塗りつぶしレイヤの色を白色に変更すると分かりやすいです。

プロパティウィンドウ内[UV transformations]の[Scale]を大きくしたりすることで傷のサイズ感を調整できます。

また、同ウィンドウ内[Parameters]の[balance]で傷の濃さを調整できます。

この汚れを作るためのレイヤに関しても、ペイントレイヤを挟んで汚れのある所と無いところを人の手で作っていくと、より現実味が出てくるはずです。


⑤まとめ

  1. 【三層】汚れ
  2. 【二層目】塗装面
  3. 【一層目】金属面

塗装された金属のマテリアルを作るには、上記3層があることを紹介しました。
自動生成されるマテリアルを使うだけではなく、人の手で書き加えたりすることも重要なポイントです。是非この基礎知識を拡張してより良いマテリアルを目指してみてください。

それでは(´ρ`)

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