今回、シンプルなTipsについてまとめてみました。
Mayaで正面から画像を貼る方法についてです。Arnoldを使用したテクスチャのベイクについての備忘録でもあります。
制作環境は現時点(2024年3月)で最新のMaya 2024です。
本日のメニュー
1.準備
2.urface Shaderマテリアルをプロジェクション(投影)用マテリアルに作り替える
3.ベイク
1.準備
正面から画像を貼りつけたい3Dモデルは、あらかじめUV展開しておきます。情報をベイクする場所を作るためです。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-14.png?w=616)
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-13.png?w=1024)
ベイクとは?
シンプルに表現すると、3Dモデルに反映されているカラーやライトの効果などをUVに焼き付けることです。
2.Surface Shaderマテリアルをプロジェクション(投影)用マテリアルに作り替える
まず、今回使うマテリアルはSurface Shaderマテリアルです。他のマテリアルを使った場合については後述します。
ハイパーシェードでSurface Shaderマテリアルを作成します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-15.png?w=361)
正面から画像を貼りつけたい3Dモデルを、Surface Shaderマテリアルにアサインします。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-16.png?w=1024)
デフォルトで用意されている設定からは、画像を正面から貼り付けすることはできないため、作り替えます。
Projectionノード(日本語:投影)を作成します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-17.png?w=302)
Surface ShaderマテリアルのOut ColorにProjectionノードのOut Colorを接続します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-18.png?w=332)
Projectionノードのプロパティ内、Interactive Placementをクリックします。
この機能は3Dビューポート上にプロジェクション(投影)のガイドを作成し、インタラクティブに投影結果を調整する機能です。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-1.png?w=796)
ポップアップが出ますが、Create A Placement Nodeを押して続行します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-2.png?w=269)
3Dビューポート上にプロジェクション(投影)のガイドが作成されます。
ガイドの各つまみをつかんで位置や大きさの調整が可能です。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-3.png?w=329)
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-4.png?w=431)
これらのつまみは少し扱いづらいので、ガイドの左下に表示されている細いTマークをクリックすると、扱いやすいマニピュレータに変化できます。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-5.png?w=364)
ガイドの位置と大きさを調整し、「正面から画像を貼りつけたい3Dモデル」の正面に配置します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-6.png?w=366)
次に、貼り付ける画像を読み込みます。Projectionノードのプロパティ内、Imageの右端のチェッカーアイコンをクリックし、任意の画像を読み込んでください。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-7.png?w=726)
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-8.png?w=318)
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-9.png?w=720)
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-10.png?w=1024)
画像を読み込みましたが、ビューポート上に表示されていません。
ビューポートのレンダラをArnoldに変更します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-11.png?w=281)
ビューポート上で貼り付け画像が確認できるようになりました。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-12.png?w=915)
place 3d Textureをアウトライナから選択し、後から動かしたりすることが可能です。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-19.png?w=917)
3.ベイク
今ビューポートに見えている情報をUV(≒テクスチャ)に焼き付けていきたいと思います。対象のオブジェクトを選択します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-20.png?w=615)
上部メニューのArnoldからUtilitiesの中のRender Selenction To Textureをクリックします。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-21.png?w=508)
Render To Textureウィンドウが開くので、確認します。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-22.png?w=440)
確認しておくべき箇所は主に以下です。
- Output Folder:ベイクした画像の書き出し先。このウィンドウ上で名前指定ができないため、既存の書き出し画像がある場合は注意が必要です。フォルダ分けして上書きされないようにしておくのをお勧めします。
- Resolution:画像サイズの指定。512の場合、512×512ピクセルの画像が書き出されます。
- Camera Samples (AA):画像をどれだけきれいに出すかのサンプル数。数値が大きすぎると処理落ちのリスクも高まるため、デフォルトの3から様子を見ていくのをお勧めします。
上の画像でRenderをクリックすると画像が書き出されます。
書き出された画像はexr形式になるため、Photoshopなどのソフトで画像を開きます。ベイクされた画像が書き出されていることが確認できます。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-23.png?w=1024)
以上が正面から画像を貼りつけたい場合の手続きです。
最後に、Surface Shaderマテリアルを使わずai Standard Surafaceマテリアルを使った場合について少し説明します。
ai Standard Surafaceマテリアルを使った場合、影やライト環境、反射の影響などが一枚のテクスチャに追加でベイクされます(下の画像参照)。
![](https://artstsubu.com/wp-content/uploads/2024/03/image-24.png?w=1024)
Surface Shaderマテリアルは影や反射などの情報を持たないマテリアルだったため、それらの情報がベイクされず単純なベースカラーのみが書き出されました。一方、ai Standard Surafaceマテリアルをはじめとする多くのマテリアルは影や反射などもベイクすることができます(要ライト環境)。それぞれ使いどころがあるため、特徴を覚えておくと良いでしょう。
以上、Mayaで正面から画像を貼る方法でした。