Blenderには非常に多くの機能がありますが、キャラクターモデリングで頻繁に使うものは意外と限られています。基本的な機能をしっかり使いこなせるようになるだけで、作業効率やモデルの完成度は大きく向上します。
今回は、初心者から中級者まで役立つ、キャラクターモデリングでおさえるべき便利機能を7つ紹介します。
1. スカルプトモード(Sculpt Mode)
スカルプトモードは、粘土をこねるような感覚でモデルを造形できる機能です。
顔や筋肉、衣装のしわなど、有機的な形状を作る際に活躍します。マウスやペンタブレットで直感的に操作できるため、自然なシルエットを作りやすいのが特徴です。

モード切り替えのプルダウンから[スカルプトモード]を選択すると使用できます。

基本機能
- 右クリック:ブラシサイズや強さなどの変更
- Shift + ストローク:Smoothブラシを使用(Relax Slide使用時はRelax Slideのスムーズ機能が働く)
- Alt + ストローク:ブラシの効果を反転させる(Drawブラシなら盛り上げる効果からへこませる効果になる)

よく使うブラシ
- Draw:盛り上げたりへこませたりする基本ブラシ
- Smooth:滑らかにするブラシ
- Grab:引っ張って形を調整するブラシ
- Relax Slide:形状はなるべく変化させずにトポロジーを調整するブラシ


2. プロポーショナル編集(Proportional Editing)
プロポーショナル編集は、選択した頂点だけでなく周囲の頂点も一緒に動かせる機能です。
顔の輪郭や髪型、髪のシルエットなどを滑らかに調整できるため、一つひとつの頂点を細かく動かす手間を大幅に減らせます。

3Dビューポート上部の二重丸のアイコンをオンにすると使用できます。

影響の仕方の変更
プロポーショナル編集アイコンの右の波形アイコンをクリックすると、効果範囲の影響のされ方を調整するプルダウンが開きます。このプルダウンの一番上に[接続のみ]というスイッチがありますが、これをオンにすることでメッシュが繋がっていない部分には影響しないようになります。



3. スナップ機能(Snap)
スナップ機能を使うと、頂点や辺、面を正確な位置へ配置できます。
装備品を身体にぴったり合わせたり、パーツ同士をきれいに接続したりするときに便利です。精度の高いモデリングには欠かせない機能です。

3Dビューポート上部の磁石のアイコンをオンにすると使用できます。

スナップ先やスナップ元の設定
スナップアイコンの右の点々アイコンをクリックすると、スナップ効果の詳細設定をおこなえるプルダウンが出てきます。[スナップベース]は選択している頂点などをどの部分でくっつけるかを指定します。[スナップ対象]はスナップ先のどこにくっつくけるかを指定します。その他、細かい設定はほとんど使わないため、気になる方はBlender公式ドキュメントなどを参照してください。

4. 自動スムーズ(Shade Auto Smooth)
自動スムーズは、モデルを自然に滑らかに表示してくれる機能です。
丸みのある部分は滑らかに、角のある部分はシャープなまま表示できるため、簡単に見栄えを向上させられます。

オブジェクトモードでオブジェクトを選択し、右クリックでオブジェクトメニューを出します。[自動スムーズシェード]をクリックすると使用できます。ついでに、[スムーズシェード](全体を滑らかに見せる)や[フラットシェ―ド](全体をシャープに見せる)も重要な機能なので押さえておきましょう。

滑らかにする面しない面の設定
この方法によって自動スムーズを加えた場合、[モディファイアプロパティ]に「角度でスムーズ」モディファイアが追加されます。[角度]という項目を調整することで、滑らかにする角度を設定できます。

5. 透過表示(X – Ray)
透過表示を有効にすると、モデルの裏側にある頂点や辺も透けて見えるようになります。
正面から見えない頂点もまとめて選択できるため、左右の頂点を一度に編集したいときや、複雑な形状を調整するときに非常に便利です。

3Dビューポート上部の重なった四角のアイコンをオンにすると使用できます。非常によく使う機能なので、ショートカットの[Alt + Z]でも覚えておくのをおすすめします。

スキニング作業時にもよく使う
頂点位置調整などの編集モードでよく使うのはもちろん、スキニング作業時のウェイトペイントモードでもよく使う機能です。


ワイヤーフレーム表示と併用
後述する[ワイヤーフレーム]と一緒に使うことも多々あります。ワイヤーフレーム表示をオンの状態でX-Rayをオンにすると、下の画像のようになります。


6. オーバーレイ(Overlays)
オーバーレイ機能では、ワイヤーフレームや法線、ポリゴン数情報など、作業に必要な情報を自由に表示・非表示にできます。
必要な情報だけを表示することで画面が見やすくなり、モデリング作業をより快適に進められます。

オブジェクトモードの状態では、[ビューポートオーバーレイ]が3Dビューポート上部に存在し、他のオーバーレイ機能は存在しません。
一方、編集モードなどの状態では、[ビューポートオーバーレイ]に加えて[メッシュ編集モードオーバーレイ]など他のオーバーレイ機能も存在します。
オブジェクトモードのとき

編集モードのとき

ビューポートオーバーレイの設定
ビューポートオーバーレイアイコンの右の下矢印アイコンをクリックすると、オーバーレイの詳細設定をおこなえるプルダウンが出てきます。よく使うものだけ説明します。[統計]はオブジェクトのポリゴン数などのデータを表示する機能です。[ワイヤーフレーム]はオブジェクトのエッジを常に表示する機能です。その他、細かい設定はほとんど使わないため、気になる方はBlender公式ドキュメントなどを参照してください。


メッシュ編集モードオーバーレイの設定
メッシュ編集モードオーバーレイアイコンをクリックすると、オーバーレイの詳細設定をおこなえるプルダウンが出てきます。よく使うものだけ説明します。[ベベル / クリース / シーム / シャープ]はオブジェクトのエッジに入っているUVの切れ目(シーム)やエッジのシャープ設定(シャープ)などを可視化をする機能です。[ノーマル]はオブジェクト頂点やエッジ、面の方向がどこへ向いているかを可視化する機能です。その他、細かい設定はほとんど使わないため、気になる方はBlender公式ドキュメントなどを参照してください。


7. トランスフォームピボットポイント(Transform Pivot Point)
トランスフォームピボットポイントは、オブジェクトや頂点をどこを基準に回転・拡大縮小するかを変更する機能です。
例えば、個々のパーツをそれぞれの中心で回転させたり、3Dカーソルを基準に配置したりと、さまざまな編集方法を選べます。知っているだけで作業効率が大きく変わる便利な機能です。

3Dビューポート上部の磁石アイコンの左隣のアイコンをオンにすると使用できます。

設定の詳細
- バウンディングボックスの中心:選択している頂点などを、バウンディングボックス(覆い囲う立方体)の中心を基準に変形する
- 3Dカーソル:3Dカーソルを基準に変形する(3Dカーソルの移動はShift + 右クリック、位置のリセットはShift + C)
- それぞれの原点:選択している頂点などが繋がっていない場合、それらをそれぞれの原点で変形する
- 中点:選択している頂点などを、オブジェクトの中心を基準に変形する
- アクティブ要素:選択している頂点などを、アクティブオブジェクト(例えば最後に選択した頂点は白く表示されるが、その部分)を基準に変形する

これらは実際に動かしてみなければ理解しづらい部分なので、実際に使って変形の仕方の違いを確認してみてください。これらの違いが理解できると、モデリングの効率が上がります。
まとめ
Blenderには数多くの機能がありますが、まずは今回紹介した7つを使いこなせるようになることをおすすめします。
- スカルプトモード(Sculpt Mode)
- プロポーショナル編集(Proportional Editing)
- スナップ機能(Snap)
- 自動スムーズ(Shade Auto Smooth)
- 透過表示(X – Ray)
- オーバーレイ(Overlays)
- トランスフォームピボットポイント(Transform Pivot Point)
これらはキャラクターモデリングの現場でも頻繁に使われる便利な機能です。少しずつ使い方を覚え、効率よく高品質なキャラクターを制作できるようになりましょう!
TSUBU CG ARTが運営するYoutubeチャンネルでは、これらの機能を実際に使いながらキャラクターモデルを作り上げる動画を投稿中です。是非確認してみてください!

